123456789101112131415161718192021222324252627282930
-------- (--)
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告 | COM(-) | TB(-) |
2013-07-10 (Wed)
名前の漢字表記を、電話や口頭で相手に説明しなければならない場面というのが多々あります。
誰しも自分の名前は説明しなれていて困ることもそうそうないでしょうが、人様の名前を伝えなければならないときには、わかりやすい例がとっさに出てこなくて戸惑うこともありますよね。

20年ほど前に働いていた旅行会社に、「S田キョウスケ」さんという人がいました。
ある日どこかの旅館からそのS田さん宛てに電話があり、さきほどパンフレットの送付を頼まれたが、宛名を書くにあたって名前の漢字を聞き忘れてしまったので教えてほしいと言われました。

「S田さんはわかるのですが、キョウスケさんはどう書いたらよろしいでしょう。」

しかし、S田さんはその依頼をした直後にお昼の休憩に出てしまっていて、不在でした。
電話を受けた私が、キョウスケさんの漢字を説明しなければなりません。

私「スケは介護の介です。」
旅館「はい、スケは介護の介ですね。キョウは?」
私「キョウは・・・」
旅館「キョウは・・・?」
私「・・・」
旅館「・・・?」

S田さんのキョウスケは、『恭介』と書きます。
私は20数年間生きてきたなかで、『恭』の漢字を誰かに説明した経験は一度もなかったのでした。


私「あ、あの、うまく説明できそうにない漢字なんですけど(汗)」

旅館「熟語で○○っておっしゃっていただければ・・・」
私「うーん。思いつく熟語ないです。」

旅館「じゃあ訓読みとかはどうですか?」
私「この字、訓読みなんてあるんですかね。」

旅館「えぇー!?あ!じゃあ部首はどうです?部首!!」
私「ヘンとツクリじゃないんですよね。上と下に分かれてて・・・でも部首名はちょっとわからないです。」

旅館の人には、相当頭の弱い人間が出ちゃった困ったなと思われたことでしょう。
でも、『恭』という漢字を、なんの準備もなく即座に正しく伝えることができる人って果たしてどれくらいいます?

何か聞かれるたび、S田はわかってるんだから苗字だけで送ってもらっていいです、とか、どうしても名前が必要ってんならカタカナでも、とか・・・いやもうこの際私の名前で送っちゃってください、とか、喉元まで何度も出かかりました。
しかし先方があまりに親切で、辛抱強くいろんな方向から情報を聞き出そうとしてくださるのが本当に申し訳なく、これはなんとしてでも伝えなければという使命感のような気持ちも沸いてくるのです。

私「京都の京ですとか教室の教ですとか、響くという字ですとか、そういうふうに説明できる漢字じゃないんですよね。」
旅館「そうですか・・・難しい漢字なんですか?」
私「いえ、難しい字ではないです。名前に使われているのはよく見ますし・・・あ、名前!」

しばらくの不毛とも思えるやり取りのあと、私はようやく相手に伝えるすべを見つけることができました。

私「芸能人の名前とかでもいいですよね?」
旅館「あぁはい、それならわかりますね!」

私は自信満々に言いました。

高見恭子の恭、です。」

旅館の方はほっとしたようにおっしゃいます。

「あーはいはいわかりました!・・・柴田恭平の恭、ですね。」

そして数日後、『S田恭介様』と書かれた旅館からの封筒が無事に届くのです。

伝わったのは嬉しかったし、何より達成感が(たぶんお互い)すごかったのですが、知名度やわかりやすさという点に置いては圧倒的に 高見恭子<柴田恭平 であり、なぜそっちを思いつかなかったのかと思うと、未だに少し悔しくもあるのでした。

ちなみに休憩から戻ったS田さんに聞くとやはり、柴田恭平の~と説明しているとのことでした。
とはいえ20年経った今では若い人には柴田恭平も伝わらないかもしれません。(失礼ながら高見恭子は誰それ?でしょうね)
今なら「叶姉妹の~」と説明するのが一番通りやすいでしょうか。
スポンサーサイト
| エッセイ風味 | COM(3) | | TB(0) | |
コメント







管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。